2009年12月4日金曜日

「世界屠畜紀行」内澤洵子著

日本に居た頃、総経理は、一カ月に一回 「屠殺場」に 副業業務で通っていた。
「屠殺場」或いは「屠場」と言う言葉自体、いろいろな方面、いろいろな立場から
問題があるのか、正式名称は、食肉センター、食肉公社だった。
豚さんが到着して、屠殺、解体、出荷の各工程から 業務対象が排出されるので、
排出工程を知っておく事は、業務遂行の重要な側面だ。
てな事を言って、新入社員を連れて行くと、ほぼ全員 顔色が白くなり、
口数が減り、昼飯には豚肉を食べないものだった。
総経理は、最初からどうって事もなかったけどね。
頼んでおけば、つぶしたてのモツとか牛タンとかも買う事ができたし、
担当の人と新鮮なモツをストーブの上で、焼いて食べたりした。
ハッキリ言って、美味い。

内澤洵子が「世界屠畜紀行」を解放出版社から2007年に刊行した。
シェルパ斎藤と共著「東方見便録」で、
内澤洵子は総経理のアンテナに引掛かっていた。
「東方見便録」は、排便する便器の構造、便の行き先への興味が根本だった。
で、「世界屠畜紀行」も読みました。
この本で彼女が取材して、書いた根本は、自分が食べる動物の肉が どんな風に屠殺、解体されてくるのか、それは国によって どう違うのかとの興味だ。
総経理の業務対象が排出される工程を知りたい解析癖(興味)と同種だ。
屠殺、解体の工程を見て知っている総経理でも、おっと思える所まで、取材されていた。
その上、この取材は彼女の自腹だ。

そして、今年 内澤自身が 3頭の豚を飼育、食肉センターに持ち込んで解体、調理し、食べる事を決行。

さらに、「野生時代」で「もう一周!世界屠畜紀行」を連載するとの事。
これも 読みたい。

ただね、ほんの少しだけ魚の小骨が引っ掛るのは、
前作がどの出版社も腰が引けたのか、「部落解放」で連載だったのに、
今回は「カドカワ」で連載って事かな。


そんな事に関係なく
腐乳和え、ねぎ抜き出汁玉、ニョクニャムスープベト風。

では、良い子で居れば、きっと良い事があるね。

良い子はお休み。