2010年5月27日木曜日

高野文子の漫画の事

先日 吉隆坡の紀伊国屋書店の新刊コーナーに、
吾妻ひでお「失踪入門 人生はやり直せる」が平積みになっていた。
手にとって、表紙を眺めたものの、買うのを躊躇して、平台に戻そうとした時、
「高野文子」の文字が目に引っ掛った。

お~ なんでぇ~、吾妻ひでお・高野文子の対談なの~?
ペラペラめくると、なんと高野文子の写真もある。
高野文子の漫画が好きなのだが、寡作な事とメディアへの露出が少ない。
一度も漫画以外の対談や本人記事を読んだ事も無いし、写真を見た事も無い。
即決で買いました「失踪入門」!
すいません 吾妻さんの描く女子高校生 昔から好きです。

82年「絶対安全剃刀」から単行本は6冊しか出版されていない。
高野文子の絵だけで、小説・CDのジャケ買いをした事もある。
こちらでは、彼女の特集された「ユリイカ」等の雑誌が入手できるわけではないし、
絵本や単発的に発表される挿絵に出会う事はまれだ。

彼女の漫画では、コマ割り、ト書き、セリフ、人物・背景画が饒舌では無い。
ではあるが、だからと言うか、
一コマずつ展開する構図に惹き込まれ、じっくり読み進む事になる。
すると、作品がスルリと入り込んでくる瞬間のコマがある。
フワリと描かれた雲と空の白さや、
窓に覗く人物がズームアウトする一コマずつと簡潔なト書き、
空を振り仰ぐ顔の一滴の汗、
子供姿で階段に立つ御婆さんの閉じた眼等々。

高野文子を読むと、「生の不思議さ」を思い浮かべてしまう。







これから夜行バスに8時間揺られて、副業業務の社員旅行。
明日の朝、フェリーである島に三日も閉じ込められる。
泳げもしないのに、そんなとこで、わしに何をせぇっちゅうねん!

とりとめもなく、昼食の客家麺