小学高学年だった1960年代後半から80年代は、アナログな検索時代だった。
音楽は、深夜放送(セイヤング除く)とFENで情報を知る。
短波/広域ラジオで 東海や関西を聴き、挙句の果ては朝鮮半島のラジオも聴いた。
そして、買わなくてもレコード屋を徘徊巡り、一枚ずつ持ち上げ、共演者やレーベルクレジットを記憶する。
置いてあるチラシは、必ず持ち帰り、新開店したらしい個人レコード屋に行く。
本も同様で、大手書籍店と神田神保町や馬場、池袋、新宿の古本屋、独立系書店に突入す。
本を立ち読みし、解説や謝辞を立ち読みし、記憶する。
メモを取る習慣が欠落していたのだ。
大手書籍店の文庫棚には、各出版社の月間文庫本目録が紐でぶら下がっていて、隅から隅まで立ち読みした。
緑の窓口で 紐で括られた時刻表を隅から隅まで読んでいた事がある。購入希望書に 紐で括られているボールペンで 記入していく。
乗車駅、降車駅、乗車券、特急券、指定席、グリーン車・・・。
何処にも行くわけでもないのに。
ライブや芝居も 入場前にチラシが配られるので 読み込む。
入手しづらい本や、レコードは、販売元事務所に突撃する。
最初に突撃したのはピンポンダッシュした事がある豊島区の某プロガバンダ系出版社ではなくて、まだ今みたいな街では無かった原宿~表参道~青山、同潤会アパートの近くにあった東京セントラル・アパートにあった関西レーベル・出版の事務所だった。その辺にあるの持って行っていいよと言われた。
あれから30年程後1990年代後半、大阪江坂で同じ様に 出版社を襲撃したんだ。
30年前と同じ様に 持って帰りたいのがあったら持って行ってと優しく微笑むヒトが居た。