1970年代後半に 創刊され 20年位続いた 文庫シリーズ。
古今の欧米の性愛小説を 月に2,3冊出版していた。
カバーは 黒 そこに 金子国義の作品が装丁されていた。
小説の挿画も 金子国義だ!
金子国義の作品集は 当時 俺には高価だったので
富士見ロマン文庫を購入し続けた。
50冊位を越えた 或る日 俺は
カバーを切り 黒の羅紗紙に
均等に四隅の切込みを入れ
カバーを挿していった。
そして ベッドが押し付けられている
壁に 貼っていった。
毎月 増えていく 壁紙さ。
六畳の部屋で 金子国義の絵が増殖する。
そんな部屋で 倖せに眠った。