あの頃、日出る処では、バブルとかでハシャギまくっていた。
ハシャギまくる数年前から 水面下でゴトが始まっていた。
そんな時の話。
高校からのポン友から、同民族3世が新しい商売に乗り出すから 話を聞いてアドバイスしてもらいたいから六本木の店に来てくれと。
六本木は 不良の街だから行きたくなかったが、彼奴の頼みだから行った。
彼奴の同民族3世の若者が説明してくれる。
「オゾン発生器を家庭用に販売するんです。塩素も飛び、殺菌効果もあるんです。専門家だから分かりますよね」
「理論的には分かるし、環境的にいいね」
「僕は、自分の家の風呂で試しているのですが、2ヵ月水替えしてません。で、アドバイスして欲しいのは、ご家庭に売り込みに行くのに、こうなにか 劇的に水道水の色が無色透明になる様な 誰もが分かる化学的な手法を教えてくれませんか?」
ワタシは即座に、ノートを破りある手法を説明した。
「凄いっす、もうバカ売れ間違いなし!売れれば月十万顧問料払います。今日はドンドンやって下さい!」
ワタシは、ブランデーをアイスペールで呑む馬鹿を初めて見た。
その後、地上げに取り組んでいるポン友と渋谷のガード下の焼き鳥屋台で呑んだ。
「ヨンチュン、あの話どうなった オレ10万貰ってねーよ」
「倉庫が火事でオゾン発生器焼けてさ、奴一家は行方不知」
「そうか、仕方ないな。どうだ最近仕事は?」
「実入りもいいが、出も多いよ。だから 30歳前にこんな店でお前と呑んでんだよ」
「高校の頃から こんな所で呑んでるからな」
そして、ヨンチュンと連絡が取れなくなった そんなバブル前。