2011年1月28日金曜日

唐十郎「四角いジャングルで唄う」再び

立った今 地が揺れた所の少女に エールを送ろう!
大丈夫 大丈夫。


おいらと一緒に この器でお酒を呑もうね。

コラボ企画「他人が穿く自分の褌で相撲を取る」其の八
以前にもこのLPの事は書いた。
唐十郎らしい副題が
「蝶のように舞い 蛾の様にへばりつく」だ。

この実況録音盤は、後楽園ホールでの収録なのだが、
このホールは、ボクシングとプロレス双方の聖地だ。
唐十郎が立った「四角いジャングル」は、プロレスのリングだと盲信している。
それは、ライナーノートの台本に数ヶ所
「コーナーポストに上る(立つ)」のト書きがあるからなのだ。
試合(コンサート)中 コーナーポストに上るのは、
ボクシングでは有り得ない とてもプロレス的な行為だ。

そして何より 唐十郎(状況劇場)は、
プロレス的な或る種特有のギミックで幻惑し
唐十郎的世界(状況)に観客を連れ去るからだ。

この台本を読みながら、この音盤の音の記憶をたどると
唐十郎や四谷シモン、李礼仙のシングル、
大久保鷹と不破万作のタッグ、
「ミドリのおばさんの唄」「ジョン・シルバーの唄」の
合唱はバトルロイヤルみたいなのだ。

明るい太陽の真昼間だろうが、
月明りの真夜中だろうが、
一度 溝に針を落とせば、テケレッツのパッ!と
唐十郎的蟻地獄に引き摺り込まれてしまう。
そんな妖しい「音盤」なのだ。

この時の「四角いジャングル」のロープは、
三本だったのか?四本だったのか?
それは、下谷万年町に打ち捨てられた 乙女の記憶の中にしかない!
ジャ~ン!



そして 皆で唄おう ジョンシルバーの唄