34,5歳の舎弟と吉隆坡への帰路につく。
2nd ブリッジで半島側へ Long & Winding Bridgeだ。
すかさず 舎弟がスマフォで ググる。
「24kmですよ 瀬戸大橋より長いです。運転代わりましょうか?」
もしも 俺がシルバー・リーフ・モンキーなら
舎弟は 太り 育った 森に棲む人~♪
運転席や バックミラー サイドミラーの再調整は面倒だし
俺が運転した方が 早く着く で 丁重に断った。
ご機嫌な音楽を流しながら 快適なクルージング。
スマフォを弄っていた舎弟が言う
「流れている音楽の歌手、題名、歌詞を自動検索するアプリ知ってますか?」
「知らない 何の為にそのアプリ使うんだい」
「いいなって思った曲がキープできて カラオケで入力できるんです」
「俺は カラオケなんか 行かないから 関係ないな」
「ボスが流してる音楽 一曲も このアプリで認識できないんです」
「音がリアから出てるから 音声認識しないんじゃの」
そこで 元ちとせのLittle Wingが流れた。
「出ました~ 音声認識してま~す!」
続いて 「悲しい日々」が流れた。
「この曲は 宝塚の劇中歌に使われたんだ」
「出ますね 多分 ウ~ン 出ません。それにしても間奏長いですね」
「カラオケヴァージョンなんだ。リフレンのデュエットは 有山じゅんじだよ」
「その人も 知りませ~ん」
続いて「うさぎ」が流れた。
「この人 年上の友人で 40年来の付き合いなんだ」
「出てきませんね」
吉隆坡までの3時間 このアプリ上では
「静な音楽になって」 虚しい会話で過ごした。
舎弟が唯一 聴いた事があった曲があった。
それは 「風をあつめて」 はっぴぃえんど。
お家に着いて 近所で予定されていた社内呑み会までの小一時間
舎弟が聴きたいと言った「ゆでめん」をかけた。
俺は三杯、舎弟は二杯の「命の水」をひっかけてから
呑み会場所「大衆㊙酒場」まで 二人で 歩いて行った。
今夜は オム・カレー with ほうれん草