現場に向かうタクシーから
流れてくる音は トム・ウエィツだった。
いかした運ちゃんと思って
トムが好きかと聞くと
お客が聞きたいとCDをくれたと言う。
ふ~ん!?
で 俺は トムのブラック・ライダーをCDに焼いて
運ちゃんに渡した。
ある日 現場で 建築ゼネコンの男と話してたら
タクシー乗ると 自分が渡したのと違うCDが鳴るっすって。
それは 俺だよと。
琉球者の彼とは 台中で呑んだくれた。
現場が終わり 十年位経った 一昨年。
インドネシアに行ったら呑み会に 彼が居て
打ち合わせに来る名前から
俺だと思って 待っていてくれたと。
俺達は 客や同僚も関係なく
呑み交わした。
そんな トムがくれた 至福の時。
今度いつ会える?