豪邸公寓を犬の娘と徘徊していると
同じ様に徘徊している馴染の徘徊者達に遭遇する。
スポーティーな服を着て 腕をグルグルしながら早歩き、
時に立ち止まり 背伸びをしたり 深呼吸をしたり。
一番多い徘徊者達だ。
総経理同様 犬の娘や息子と一緒の徘徊者が居る。
犬に引きずられて走り去る徘徊者も居る。
犬みたいにリードを付けた人間の娘や息子と一緒の徘徊者さえ居る。
朝方だと パジャマの徘徊者まで居る。
深夜に見かけるガードマンのコスプレ徘徊者が居る。
この徘徊者は、トランシーバーを置き ベンチに座り
煙草を吸ったり、携帯を眺めたり、でも寝ている方が多い。
総経理の一階上に住んでいる 老齢の徘徊カップルが居て
時に一緒のエレベーターで降り しばし一緒に徘徊する事もある。
二人とも同じ様に小さくしぼんでいて、
顔も似ている上に 同じ様な眼鏡を掛け、
きちんとシャツとズボンを着ている。
そして いつも微笑んでいる様に見える。
見かけは どちらがどちらなのか分からない。
そして 二人とも エコバッグを提げている。
犬と一緒の徘徊者は、バッグや小袋を持っているものだが、
二人きりの公寓内徘徊で 排泄物処理道具は必要ない。
あのエコバッグには 何が入っているのだろうか?
総経理は、勇Tシャツ、ジャージをキチンと着て、
新聞紙とペット用紙タオルを入れたポーチを斜め掛け。
最近は、髪をポニーテールにして トロトロと徘徊しているのだ。
近所にある小さな肉骨茶屋「友記」のドライ肉骨茶。
辛かったが 美味し。