2016年4月20日水曜日

そんなに違う事は 無いよ

「空の拳」そして「拳の先」
カクタさんの小説を読了。

今まで読んできた カクタさんの小説とは
ちょっとだけ 違うけど 好きな小説だ。

ボクサー タイガーのボクシング人生を縦糸に進む小説。
横糸には 語り部の空が居る。

俺が好きなのは イジメを受けているノンちゃんだ。
ノンちゃんの両親は ヒッピーの恰好をしている 大学教授。
マルポチャなノンちゃんは 小学校から イジメられる。

俺は 白のシャツ、黒の半ズボン、白のソックス、編み上げ皮ブーツで
公立小学校に通っていた。
朝 キチンとピアノの練習が終わらないと
集団登校の方々と 一緒に登校を許されなかった。
日曜日は 教会に行く。
4年生からは 電車を乗り継いで 一人で 進学教室に行く 日曜日。

そうしながら 地域社会の 野球やら サッカーなりに入っていた。
ある日 野球の練習が終わり 皆で近所の出前のカレーを食べていたら
先輩達が 俺に言う
「お前んち では こんなカレーを食わないんだろ お上品だから
カレーってのは お前んちと違って
 カレーと御飯が別になってるものじゃないのだ ネチネチ ネチネチ」
なるほど!

お前毎日 学校の図書館で なにをしてるんだ?
なるほど!

或る日の学級会で言われた 何人かから
「私達が選んだ学級委員長は 日曜日 一人で電車に乗って
東京に行っている不良です」と
なるほど!

ある日 下駄箱の編み上げブーツの中に
テンコ盛りの 画鋲が入っていた。
浅はかな 行為 テンコ盛りの画鋲の靴は 穿かないのだ。
そうかい そうくるかい
俺は シフトチェンジし
アイビールックにし
スリップオンの靴には 画鋲が入っていても
直ぐ 分かる様にした。

あれは イジメだったのかも知れない?
だけど あの頃の奴等
還暦の男や女に

ありがとね 俺は 真っ直ぐ 曲がって 生きて来たよ!