2010年2月22日月曜日

中国料理の迷宮」勝見洋一著

朝日文庫版で、先日この本を読み終わった。
単純に中華料理について書かれた本と思って、購入したのだが、
内容は、そんなに単純なお話しではなかった。
王朝の支配者の出身地によって、それまでの王朝の料理といかに混合し、
いかに混合しなかったかをほぼ歴史順に語られて行く。

清朝までは、中国料理は、各地の料理が混合したり、しなかったりしながらも、
洗練、発展してきた事がわかる。

で、一番興味深いのは、
共産党「文革王朝」が、「造反有理」の御旗の下で、
洗練、発展した中国料理を破壊・創造したのかについて語られる章だ。
著者は、文革時に北京や上海に滞在している。

人民が、食べられる食堂では、破壊後の文革的発展は、
粗食と不味。
外国人接待向け、党幹部向け料理屋のみ、文革以前の味を維持。

総経理は、この10年で何度か上海、北京、寧波、福州に行っている。
美味しい店もいっぱいあるのだけれど、
間口の小さい店で、メニューも限られ、値段は安いが、
味のしないスープ、麺はボソボソ、酸っぱい料理
ハッキリ言って不味い等々の経験を何度かしている。
店員は、まったく愛想も商売っ気もない。
解放までの約20年の中国料理の破壊・創造の遺産だったのかな。

日々 食べる事が、単純に生きていける事なら、
食べ物が餌なのか、快なのかの選択位は 自分でしたいものですね。
そんな事を思いながら、
アジの南蛮漬け、嘘っぽいライチャ。出汁をかけて食べます。
良い子は 眠ります。お休み。