犠牲祭と呼ばれる イスラム教の祝日。
メッカ巡礼月の最後の日を祝う日であり、
また 預言者が神から息子を犠牲捧げる様に命じられた事から転じて、
家畜(牛や山羊)を犠牲として捧げ、共に分かち合う日でもある。
18年前の犠牲祭近くの 副業業務現場。
そのフェンス向うに、不法滞在者の家があり、山羊が居た。
その住人達は、フェンスを何度も破って、水浴びに来ていた。
水浴びしていたのは、滔々と流れる排水処理水だった。
オーナーには黙って、処理水は駄目だから、
仮設の水道で水浴びする様に 言うのだが、
なぜか 滔々と流れる処理水で水浴びをする。
ある朝、現場に行くと、フェンス向うの家の前で、
皆が集まって何かやっていた。
昼過ぎには、山羊が四肢を広げた格好で、ぶら下がっていた。
傍では、大きい洗面器で煮炊きをしていた。
それが初めて見た犠牲祭の日だった。
フェンス修理直後だったので、捧げ物を分けてはくれなかった。
フェンスの此方側と向こう側、そんな ちょっとした事で、
山羊を食べる事ができなかった日の少し悲しい記憶。
そして、しばらく振りに 現場に行くと、もう彼らは居なかった。
納豆、ケチャップ+刻みチリ、ソーセージ炒め+目玉2個