寒さと重低音で覚醒する。まだ午前二時だ。
昨夜は 檳城で鯖丼と忘年会だった。
爆睡したので 頭が冴えわたっている。
吉隆坡に帰る事にした。
前後に並走する車も無く
灯りと言えば 時々すれ違う対向車のヘッドライトと
出口付近の街灯だけ。
暗闇を引き裂きながら 南北ハイウエィーをひたすら南下する。
車に流れるのはMB「from his head to his hart to his hands」なのだが
頭に流れる音楽は 別の音楽だ。
愛してるって言っても 聞こえない 風が強くて
この頃はチョット冷たいね 送りもせずに
この道はまるで滑走路 夜空へ続く~♪
だからこの暗闇を抜ければ
そうこの暗闇を抜ければと
夜汽車は 夜汽車は急ぐんです~♪
白い曠野を切り裂いて
ゴウ ゴウ ゴウと雪の銀河を
ぼくは まっしぐらなのです
君の街は もうすぐなんです~♪
漆黒の闇が捲れ上がる隙間から 朝靄が融け出し始める刻
吉隆坡に着いた。
モスクからアザーンが流れる中で
「大きな自由」を大きな声で歌うてきます と言ってくれた人が
今夜 この曲をどう歌い出すのか妄想しながら 犬の娘bと徘徊した。