2015年2月15日日曜日

ヴィクターの犬

さて 「はっぴいえんどマスターピース」を入手してから
早や 一ヶ月がたった。
 
ハイレゾ音源を
今日 低音がブースできる H/KのNOVAに繋いで聞いてみた。
 
執務室のテーブル上では すんばらしい 音だ!
左右のスピーカーから 音がクッキリ ベースが テーブルを這ってくる。
「ヴィクターの犬」状態!
 
その昔 親が 自宅を建て 蕨から大宮に引っ越した。
お家のある 住宅街周辺には 畑が拡がっていた。
蕨の頃は 駅まで歩いて10分 都内までは 30分位。
都内に行くには 高崎線の宮原駅まで 自転車で15分以上掛け
そこから 池袋には 小一時間掛かった。
絶望的な 遠さ ド田舎に住んだもんだ と嘆いた。
City Boyがカンポンボーイになっちゃった。
 
独立した自分の部屋(6畳)を貰った。
それは2階で 隣の姉の部屋(10畳)より 小さいが 横の納戸(1畳)よりは広い部屋。
が 俺の部屋には なぜか本棚があり
そこには なんたらかんたら百科事典全集 全百巻やら
海外文学全集 全五十巻、日本文学全集 全二百巻
俺の本をどこに置けばいいのか状態!
資金が足りなかったのか 工期が間に合わなかったのか
ベランダが無いのに 床上からの窓があった。
窓を開けると 奈落。
なのに 雨戸もあった。
懐から 雨戸を引き出す作業は 安全帯無しにはできない作業さ。
 
そんな状況だが 
同じ部屋に こうるさい姉がいない!
わざわざ 居間にあるステレオで 両親や姉から ああだこうだ言われて
LPを聴く状況から解放された。
で 数千円のポータブル・プレーヤー(スピーカー2個付き)を買った。
 
スピーカーを最適に配置しようにも
ベッドと本棚以外のスペースは限られている。
何故か 新宅に不要になったらしい ちっちゃなソファもあったので
執務机しかないのだ!
 
そして 執務机に置いた ポータブル・プレーヤーのターンテーブルに
初めて乗せたのは
同潤会アパートのURC東京事務所で 入手した
はっぴいえんど「風街ろまん」だ。
貧しいアンプとスピーカー
フルヴォリュームにすると
近隣の家族から 苦情がくるので ひっそりと掛ける。
俺は耳をスピーカーに近づけて聴く
音が右から 左に流れると
耳も 右から 左に動かす。
 
イヤフォン・ジャックのあるプレーヤーに買い替えるまでは
俺は「ヴィクターの犬」状態になりながら
いろんなLPを聴いた。
 
唯一 「ヴィクターの犬」から解放されるのは
家族が外出している 数時間なのだが
そんな数時間は 愛する人と時間と過ごすので
スピーカーから 流れる音よりも
愛する人の 言葉と仕草に「ヴィクターの犬」
状態なのです。