友の会発行の中華料理本やらがあった。
父がどっかの国に出張に行って
こんなものを食べた こんなんもあったと言う。乾物のフカヒレやらナマコやらを買ってくる父。
これらをキチンともどす方法は 昭和30年代で
キチンと書かれていたのは 友の会の本ぐらいかな。
偉いぞ 羽仁家!
食べた事も無いお料理を 調理するのは
想像力だけが頼りだ。
当時 ちょっと洒落た 中国料理を食べられるのは
「銀座アスター」ぐらいだった。ふかひれスープは食べられても
フカヒレの姿煮は 食べられない。
ナマコの餡かけなんて 無い!
で 当時小学生4年頃 俺は 野球チームに入っていた。
練習の後 昼食で小学5,6年の奴等が 爬虫類の眼で俺に言う
「お前ん家では ライスカレーかもしれないが
これは カレーライスって言うんだ!」
「お前んとこみたいに カレーと御飯が別じゃないんだ」
「スプーンは コップに入って出てこないんだぜ!」
「お上品に喰ってんじゃねーよ 混ぜて喰えよ これが本場のカレーだ!」
は~い は~い!
俺は 母親の趣味で 白シャツ 吊り半ズボン(黒) 編み上げ革靴で小学校に通っていたし ピアノも習ってたし、
毎週日曜日は 教会に行って 都内の進学教室に通ってたよ。
でもね 家だって スパイスから カレーは作って無い。
高野のカレーや中村屋のカレーは 食べに行ったし。
第一ホテルのバイキングで スリランカやら タイやら のカレーは食ったけど町内会の蕎麦屋のカレーライス(グリーンピースのり)だって喰ってたんだよ。
その頃 俺が始めて 料理したホウレン草のベーコンバター炒めだけど
ちょこまか 作ったのは カレーだ。
幼戯で くだらい事を俺に言い続けた方々
50年以上経っても 俺はカレーを作り続けてるよ!あんたがたに 食べていただきたい為にさ!
それは ライスカレーでも
カレーライスでもない
ただのカレーだよ!