鶏の鳴き声で目が覚めてみると
僕はベッドの すのこの上で寝ていた。
薄暗い部屋の中 彼女はタイルの床で まだ寝ている。
3,4年振りに彼女に会って 皆とホテルの部屋で呑んだ後
彼女の小さい懐中電灯 まるで蛍の明かりだけを頼りに
真っ暗な闇を歩いて 彼女のアパートに行ったんだ。
夜道を振り返ると たった500m位先に Siem Reap繁華街だけ
まるで 不夜城の様に燃えさかる灯りが見えた。
一寸先は明るいのに 僕らが歩いている道は 暗闇。
でもね その暗闇は 人の温もりに満ちている。
部屋の水場 溜め置きの水甕でマンディーをして、
白み始めた 外に出ると
大家のオババが オープンエアーの炊事場を掃き掃除している。
中庭の井戸には 水を汲みに来て マンディーをする子供や大人。
起き出した彼女と近くの御粥屋へ
早すぎて 御粥は未だ出来ていない。
珈琲と紅茶を飲み、御粥を待ちながら とりとめの無い話をした。
ホテルに二人で 戻る途中でセカンド・ラインに出会った。
長い 長い ラインが ロータリーを回りながら 焼き場に向かって行く。
連れて行ってくれないか あっちまで。
鶏の鳴き声で目が覚めると
僕は タイルの床の上で寝ていた。
薄暗い部屋の中 彼女はベッドの すのこの上で まだ寝ている。
遺跡巡りの後 森本さんの森の村に行って
皆でホテルの部屋で呑んだ後
再び 彼女のアパートに行ったんだ。
夜道の途中 彼女の友達が バイクで通り掛かって
3ケツで アパートへ。
森本さんの森の村で 彼女が言う
「2006年 染色をしてて 森本さんに会いに此処に来たんだよ。
それが此処にいる始まり。」
マンディーをして 起き出した彼女と
オババを眺めながら とりとめの無い話をする。
オババは 掃き掃除の後 ハンモックを吊り 寝具合を確かめている。
中庭では 鶏が何かをついばみ 井戸では子供が水を汲んでいる。
昨日とは違う道筋で ホテルに二人で帰る。
その筋は 昨日のセカンド・ラインが着いたであろう
お寺と焼き場があった。
幾つかの遺跡巡りをして 僕らは 空港へ。
空港内に入る通路で
「あたしは この先に入れないから ここでね じゃ また!」
皆と先が明るい通路を空港内に進みながら
振り返ると 通路の先 暗闇の戸口で手を振りながら
佇む彼女が居た。
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