生きている 生きていた 生きていない動物が
各短編に 暗喩的に登場する。
期待される競走馬に 寄り添うだけの馬
ビーバーの頭蓋骨
ハーモニカを吹く置物の兎
空き缶に頭を支配された子鷺
餌を貰い 散歩に行く 置物の犬
スペルの末尾がhのチーター
寄生虫に 蝕まれる 蝸牛
身代わり硝子の中の 竜の落とし子
何かしら 一つ欠落を抱えている
登場人物の琴線に 彼らが振れ
チリンと少しだけ ハーモニーを 奏でる。
さて 欠落は埋まったのだろうか?
と 小説は 問う? 或は?
いくつもの欠落が 埋まらないまま
この娘が どこかにいってしまったら
僕の欠落は また一つ増えてしまう。
欠落が埋まらないまま また 過ごしていき
でも 欠落の底に温かい何かをチョットだけ
補填しようと思うのは 僕だけだろうか?
最近 ベッドの上で 少しだけ 目覚め 頭を枕の上に乗せていると
文句無しに 網膜を貫くベッドルームから見える
新しいコンドミニアムの屋上照明。
この青は 眠るのには キツ過ぎる!
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