今回の旅で Yさんが 一冊の文庫本を持ってきた。
会う度に 本のやり取りをしている。
何冊の本をやり取りしたのかは 覚えていない。
「こないだ泊まった時に 持って行ったけど
この本は 廣川クンが持っているほうがいいよ」
金子光晴「マレー蘭印紀行」だった。
この文庫本は 20歳の頃に購入した。
奥付には 昭和53年3月10日発行と記載されている。
文庫初版本だ。
25年前マレーシアに
この本を抱きしめて来たのだ。
そして 仕事で マレー半島を徘徊する。
仕事だから およそ 停滞する事ができない 街々。
が 朝から 路地を徘徊した。
金子光晴が徘徊したかもしれない 街。
朝は暗く 道筋には 屋台が並ぶ チョットした明かりの下で。
そして 粥や 肉骨茶を食べる。
金子光晴も 食べたのかな?
温気と湿り 朝が始まる。
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