2018年7月26日木曜日

未発酵と発酵を巡る 米麺の冒険

仕事上 文献を読み 製造方法を調べ 考えるのが
リスク回避の最善の策だった。

最近は 少しだけ 仕事と関係が有りそで 無さそな文献にシフトしている。
この数日注目したのは 未発酵米麺と発酵米麺だ。

中国南部から 南に伝搬された米麺なのだが
「ミャンマーにおける発酵米麺(モヒンガ―)の製造上の特色」によると
ど~も 製造方法が 二つに大別される様だ。

未発酵米麺と発酵米麺と幾つかの文献は規定している。
米を浸漬してから 水を加えながら粉砕するかの違い
ろ過と放置(発酵) の工程を踏むか 踏まないかが最初の泣き別れ。
加熱工程は 同じだが 練って茹でるか 蒸すかが二番目の泣き別れ。
未発酵米麺は 加熱後圧延、放置、切断し 麺として完成。
発酵米麺は 練って押し出し型に入れ 加熱し冷却。

「インドシナ半島の発酵型米麺のタンパク質分解と特徴的なテクスチャの関連性」
「ミャンマーにおける発酵米麺(モヒンガ―)の成分と微生物の特徴」によると 
誰が どう考えても プクプクしたら 発酵でしょ!は
科学の世界では 数値に置き換え 立証する必要がある。
発酵米麺は 原材料の米からどの様に 成分が変化しているかを
基礎研究的に 検証している。

米及び水の微生物(主にバチルス)が関係し
米の易消化性タンパク質は 低分子タンパク質に分解された。
米の有機酸(クエン酸、シュウ酸等)は 乳酸に分解された。
複合的作用によって アミノ酸が増加した。
pHは 7前後から 4強まで低下した。
よって 発酵米麺は 製造過程のシトギ製作ーろ過ー放置工程において
発酵し 未発酵麺と異なる 食感、味、旨味を得た。
パチパチ! 理解しやすい。

が これらの文献には 未発酵米麺の比較データが無いので 片手落ちだ。
また 未発酵米麺と発酵米麺のローカル名称が明確では無い。
これらの文献で 未発酵米麺 カソエ(Khauk Swer) 発酵米麺モヒンガ―(Mohinger)の
記述が見受けられ かつ カソエは鶏、豚出汁のスープで
モヒンガ―は 魚系のスープの和え麺とある。

ワタシは 今後未発酵米麺と発酵米麺の具体的な名称を特定し
ど~ 違うのかのフィールド・ワークと文献漁りをし
再び 報告しようと 考えている。













2018年7月16日月曜日

肉骨茶は 肉骨茶

数ある マレーシア華人料理は 
広東、福建、潮州、客家、海南をルーツとし
・ルーツを保ち続けている
・マレー料理やインド料理と混色しながら 中華風味を残す
・大陸、香港、台湾では同様の料理を食べた事が無いが
 タイや東南アジアに似た様な料理がある
なのだ。

が 肉骨茶だけは 上記に当てはまらない。
どれだけ 調べても 食文化のルーツがハッキリしない。
滷味や茶葉蛋系だけど 違う。

今日 「マレーシア華人料理における香辛料利用の特徴」(1999年)
を発見の会!

この文献は 三分の二を荒井茂夫が
ニョニャ料理と擂茶のルーツと香辛料を論じ
三分の一をシンガポール国立博物館長 リム・ホウセンが
肉骨茶を論じている。

残念ながら 肉骨茶のルーツについてリムも断定できない。
が マレーシア・シンガポールのオリジナル華人料理と考察している。

「病気の子供に漢方入り豚肉スープを食べさせたら病気が治った」
@クラン
「肉体労働者が 市場でホカされた豚肉、内蔵を漢方で煮込んで 
 朝食とし 過酷な労働をした」@シンガポール
この伝聞は 混ざりあいながら お互いが発生地と秘かに争っている。
これまでも耳タコのまことしやかな 伝聞から
出仕は確認できないが 華僑はシンガポールを起点にし
マレーシアに北上したとしたうえで
肉骨茶の起源は シンガポールと曖昧にリムは記述している。

仕方が無いよね シンガポール国立博物館長だから。
今や 東南アジア、台湾、香港、大陸でも
馳名新加坡と肉骨茶屋があるからさ。
でもね どっかの国で 
ある地域の蕎麦の汁が黒くてからいと言う地域がある様に
新加坡は 胡椒風味の白バクさ。

滋養強壮と匂い消しの漢方 中国醤油に
三枚肉やスペアリブ モツをぶっこんで 煮たスープ
そんな チョット 乱暴だけど 美味しく 身体にもよい。
肉骨茶は 肉骨茶さ それでいいのだ!

あなたもどう? 肉骨茶ってのをさ!





2018年7月1日日曜日

杵と臼と 食文化

さて とある映像を二つ観た。
モチ米とウルチ米だ。

ウルチ米にも いろいろな調理法があるが
モチ米は 米文化社会では 特別だ。

モチ米で餅を作り 食べるのは ハレの食だ。
で 苗族は 稲刈りが終わった時を 新年として祝う。

が その他の地方と餅のつき方が違う
他の地方では 縦杵と縦臼で つく。
一見 日本のモチヅキデハあるが
誰も捏ねないのだ 縦の運動の力に対し
受ける 縦の臼だから 捏ねる必要が無い。

で 苗族のモチヅキハ 船の様な横臼
二人が 横杵で付いて行く。
ここでも 捏ねる人はいない。

どちらも 捏ねる必要が無いのだ。
杵と臼の運動が モチゴメを捏ねながら ツイている。

日本の場合 横杵と縦臼なので 捏ねる作業が必要なのだ。

餅を作って食べる文化は 豊来の神に感謝し
次の豊穣を祈る儀式だ。

そして それは 次の世代を産む儀式だ。

そこで 考える臼と杵の遣い方を。