2021年12月7日火曜日

世界で最も危険な作業を想う

 湯沢規子著「ウンコはどこから来て どこに行くのかー人糞地理学ことはじめ」研究す。

読み進めていると 昔の記憶が 蘇る屎尿!

オレは 大学4年になる時 何処かの研究室に所属しなければ 卒論が提出出来なくなるので何処かを選ばなければならなかった。

ほぼ全ての研究室が オレには興味が無くそれまでバイトを斡旋してくれた研究室を成り行きで選択した。

衛生工学研究室だ。研究室名は 御立派なのだが 何のことは無く 浄化槽の大家の教授が居て そこに入学当時から出入りする学生は 各地の浄化槽屋の御曹司。

ここには各種サンプルが200L~300Lオープンヘッドドラムで届く。この開封作業はヒエラルキー最下層ドレイの作業だ。このドラムをオレタチは トイレに運び 開封作業をする。貴重なサンプルだ。

がっ サンプルがどれだけの時間を費やして届いたのかはオレタチには分からない。既に嫌気発酵しメタンガスで天蓋が膨らんでいる。オレタチは自前の白衣一丁。

天蓋リールの蝶番を外す瞬間が肝だ。相方とお前がやれとの無駄な会話で議論す。下手な開け方した時にゃ オレタチは屎尿にまみれながら 研究室にサンプルですとお届けし。教授が居る時は ご苦労だったな ビーカーに酒を注がれ 呑んだ。

そんなときには 他の研究室から抗議が殺到し、オレは各研究室のお局様方にお弁当をお届けるヒトになった。

 

 

2021年11月5日金曜日

「茨木のり子の献立帖」を読み 自分の記憶に浸る

 

詩人が残した膨大な日記、手書きレシピ―・スクラップ、等々を元に 詩人の料理を再現した本。

先ず のっけから痺れた。1958年に建てられた御自宅、台所とダイニングは壁で仕切られ 食器棚があるのだが ちょうどいい塩梅の高さに引き戸があり 料理やグラスや皿が遣り取り出来る様になっている。

 

オレが一歳の頃だ。確か 5歳頃まで住んでいた フォッサマグナ起点地の家は、台所は土間で、ダイニングなんて無かった記憶がある。

自宅のオープンキッチン化なんて つい30年位な様な気がする。

それも 狭い空間を あたかもトレンドな建築設計的に。

まっ 土間と居間の位置関係はオープンキッチンと言えなくも無いのだが。

 

オレの一家は 父の転勤で 京浜東北線に乗れば 10分位で荒川を越え 東京に越境できる街に引っ越した。

 

詩人が残した料理のレシピ―、何処其処で食べたとの記述を読むと  

オレのその頃の食の記憶が揺すぶられた。

詩人が食べた料理、作った料理が オレの食体験と不思議に重なっているのだ。同時代体験かも?知れない。

 

パエリア、ビーフストロガノフ、中華粽、リゾット、ブイヤベース、ジンギスカン、ザワークラウト,肉骨茶等々。

そして 料理屋で食べた 味を再現す と。

詩人の日記には 度々「暮らしの手帖」の記述がある。

 

ここで ナルホドと膝をポ~ンと打つ。

オレンチは 家族が所有する本は オープンだった。

そこには 文春や週刊新潮や 瀬戸内晴美等々。

「暮らしの手帖」と「友の会 料理本」もあった。

更に 父が海外出張すると アレが コレが旨かったと自慢し、

自分が食べたいだけで 買って来たローストダックを食べた。

半年の予定で行き 2年弱帰って来なかった キューバ料理は 講釈を足れなかったが。

そして ドーモ そんな料理が食べられそうな 料理屋に行き 食べる。父の講釈を拝聴しながら。

 

オレの幼い食の記憶では 祖父が道内から 内地に越境し、オレだけを連れまわした 蕎麦屋、鰻屋、天麩羅や、寿司屋、おでん屋なのだ。


 

 

2021年10月29日金曜日

そして ボクは 食の迷路にハマり込んだんだ~♬

 

ワタシは 食べた事がない ある料理の研究を始めた。

ぐぐると 親切な方が 英語で説明していた。

"Ankake Spaghetti" is spaghetti with tomato-based thick sauce with some kinds of toppings such as sausages, onions and green peppers.

なるほど。

この英文からでは ナポリタンとの違いが曖昧なので 更に研究を進め、 先ずtoppingに注目す。

ワタシが食べて来たナポリタンは 具材をトマトソース(ケチャップ)とざっと炒め、茹でた スパゲッティと絡め炒める。乳化は無い。

研究を進めると 論点1:ソースとスパは和えない。

論点2:具材はソースと和えず スパの上にトッピングする。

が どうも老舗店で提供されるAkake Spaghettiの様だ。

で 更に研究すると 店での注文に「ミラカン」と注文する客が多い事に気付いた。

どーも 基本のAnkake Spaghettiがあり、具材トッピングの定番が「ミラカン」の様だ。

謎の言葉だが 論文をさらに読み込む。

ミラ=Milanese (ミラノ的肉類)、カン=Country(野菜類)だそうだ。 

理解す。

トマトソースについては Anとするのは片栗粉を入れている事は想定内であった。

が ここに隠し味的にHattyo Misoがあるのではと深読みしたが 識者に一笑された。

さあ~ ここまでの研究では 食べた事がないものを再現できると有頂天になった。

グガン~! どーも2㎜以上のスパを使っているらしい。

この国で 1.6~8mm以上のパスタを入手するのは困難、イタリア系のパスタは ㎜表示が無く 各社勝手にナンバーと名称を表記しているだけだ。

さて ここで新たな研究対象に潜り込む。さてパスタの太さ表示とは 茹でる前なのか 茹でたあとなのか?